鶏糞の使い方ガイド|乾燥・発酵の違いと効果を解説!

こんにちは、のはやさいのりょです。

今回は、堆肥の一種である「鶏糞(けいふん)」について詳しく解説します。特に「乾燥鶏糞」と「発酵鶏糞」の違いや、それぞれの特徴・使い方について紹介します。

鶏糞とは?堆肥と肥料の違い

鶏糞は、鶏の排泄物を利用した有機肥料であり、豊富なチッソ(窒素)、リン酸、カリウム、石灰を含んでいます。そのため、堆肥としての土壌改良効果だけでなく、即効性のある肥料としても利用されます。

乾燥鶏糞と発酵鶏糞の違い

ホームセンターやJAで販売されている鶏糞には、大きく分けて「乾燥鶏糞」と「発酵鶏糞」の2種類があります。

  • 乾燥鶏糞:太陽光や化石燃料を使って乾燥させたもので、チッソ成分が多く含まれ、比較的早く効くのが特徴。
  • 発酵鶏糞:微生物の働きで堆肥化されたもので、ガス害が少なく、リン酸や石灰成分が豊富。

乾燥鶏糞と発酵鶏糞の見分け方

  • 乾燥鶏糞:サラサラとした質感で、手に取ると細かい粒状。
  • 発酵鶏糞:ゴツゴツとした形状で、不揃いな硬い塊が混ざる。

また、「ペレット鶏糞」と呼ばれる、圧縮加工されたものもあり、乾燥鶏糞に分類されます。ペレット化すると水分が飛びやすく、チッソの効き方が緩やかになります。

発酵鶏糞の「完熟堆肥」と「完全発酵」の違い

発酵鶏糞の商品には「完熟」や「完全発酵」といった表記がありますが、これはメーカー独自の基準であり、必ずしも鶏糞の状態を正確に示しているわけではありません。購入時は成分表示や匂いを確認するのがおすすめです。

鶏糞の成分と効果

鶏糞の成分量は、採卵鶏(ニワトリ)かブロイラーかによって異なりますが、一般的な乾燥鶏糞には以下のような成分が含まれます。

  • 全チッソ(N):3~4%(ブロイラーは2~3%)
  • リン酸(P):4~5%
  • カリ(K):3%
  • 石灰成分:13%(ブロイラーは2%以下)

チッソの即効性については、鶏糞に含まれる全チッソの約1/3がすぐに効き、残りは時間をかけて徐々に土壌に作用します。そのため、即効性のある肥料として使う際は、チッソの利用率を考慮する必要があります。

鶏糞のガス害とは?

発酵鶏糞は、分解しやすい有機物がほぼ分解されているため、「未熟害」のリスクは低いです。一方で、乾燥鶏糞や生鶏糞を大量に施すと、微生物が有機物を分解する際に酸素を消費し、一時的に土壌が酸欠状態になることがあります。これにより、作物の根が傷むガス害が発生する可能性があるため、乾燥鶏糞を使う際は深く鋤き込まず、作付けの1ヶ月前に施肥するのが理想的です。

鶏糞とリン酸過剰問題の対策

鶏糞を多用すると、リン酸が土壌中に蓄積しやすく、病害発生のリスクが高まります。この対策として、「緑肥」を活用するのが有効です。

例えば、ひまわりなどの緑肥作物はリン酸を吸収しやすいため、花が咲く直前にすき込むことでリン酸の蓄積を抑えることができます。これにより、次作のリン酸消費が活発になり、土壌のバランスを整えることができます。

まとめ

鶏糞は肥料としても堆肥としても優れた効果を発揮しますが、種類によって特徴や使い方が異なります。

  • 乾燥鶏糞はチッソが多く、即効性があるがガス害に注意。
  • 発酵鶏糞はガス害が少なく、リン酸や石灰が豊富。
  • ペレット鶏糞は撒きやすく、チッソの効き方がゆっくり。
  • リン酸過剰対策として緑肥(ひまわり等)を活用するのがおすすめ。

適切に使い分けることで、作物の成長を促進し、土壌の健全化につながります。鶏糞を上手に活用し、効率的な農業を目指しましょう!