🌿月と農業と琉球人の話| 月の満ち欠けと沖縄の農業|先人たちの知恵を探る【のはやさい】

こんにちは、のはやさいです。

また、有るようで無いような立ち話をひとつ。

今日は、以前紹介した琉球王国時代の古い農書【西村外間筑登之親雲上農書】について、少し気になっていた一文を掘り下げてみます。


🌙 先人たちが気づいていた「潮の干満と植物の関係」

まず、こちらの一文をご覧ください。

冬瓜種子、正月初牛の日又寅の日、満潮之時分蒔入候。
尤から潮の時分蒔入候はゝ、実付候てより実落候也。

冬瓜の種は正月の初めての丑の日か寅の日、満潮の時まくべし。
しかし干潮の時種を蒔くと、実が落ちてしまう。

西村外間筑登之親雲上農書

また、こんな記述もあります。

黄大根種子、六月一五日の前後に蒔入候事。

人参の種子は六月十五日の前後に播種する。

西村外間筑登之親雲上農書

どういうことなのか…?
潮の干満と野菜の生長に関係があるのでは?
そう思い、少し調べてみました。


🌊 月の引力が植物に与える影響とは?

🌕 月と潮位の関係

まず、月といえば「海の干満」。
これはよく知られていることですが、潮の満ち引きは月齢や月の動きによって変化しています。

潮汐(ちょうせき)と呼ばれるこの現象は、
月の引力と地球の遠心力が生み出す「起潮力」によって発生すると言われています。

この力によって、海面の水位が1日に2回ずつゆっくりと上下し、
潮位が高いところが「満潮」、低いところが「干潮」になります。

🌿 月の引力は、樹液の流れにも影響する?

実は、この月の引力は海だけでなく、地上の植物にも影響を与えているそうです。

例えば、特定の植物の開花が潮の干満と密接に関わっていたり、
甘い樹液を取る樹木では、干潮時には樹液が全く出なくなることもあるとか。

ある書籍には、こんな興味深い記述がありました👇

「満潮時は植物の生長が早く、干潮時にはその成長が緩やかになる。
この原因としては、月の引力が樹液の流れに影響を与えるためと考えられている。」

月との農業 中南米農民の有機農法と暮らしの技術 ハイロ・レストレポ・リベラ著

つまり、満潮のタイミングで種を蒔けば、植物の生長が活発になりやすい
逆に、干潮のタイミングでは、生長が鈍くなる。

当時の琉球王国の農業人たちも、こうした自然のサイクルを肌で感じ、
種を蒔くなら満潮時に」という知恵を生み出したのかもしれません🌱

とはいえ、「干潮時に蒔くと実が落ちる」という具体的な根拠は見つけられませんでした…orz


🌑 月齢が植物に与える影響

もう一つ気になるのは、こちらの記述。

人参の種子は六月十五日の前後に播種する。

当時は旧暦を基準にしていたので、「六月十五日」=満月にあたります。
実は、満月の時期は、潮の満ち引きが最も大きい「大潮」のタイミングでもあります。

これについても、書籍を巡って調べてみると…

「新月から満月に向かう時期は、どの植物も光合成が盛んになり、特に新月からの三日間がピークとなる。」

月との農業 中南米農民の有機農法と暮らしの技術 ハイロ・レストレポ・リベラ著

「満月になると、樹液は葉や花・果実の部分に集中する。」

月との農業 中南米農民の有機農法と暮らしの技術 ハイロ・レストレポ・リベラ著

さらに、こんな記載も👇

「満月後3日~新月にかけて、水分(樹液)が根に集中する。
この時期に地下に育つ野菜(人参・大根・ジャガイモなど)を播種するとよい。」

月との農業 中南米農民の有機農法と暮らしの技術 ハイロ・レストレポ・リベラ著

これを考えると、「六月十五日(満月)の前後に人参を播種する」という古い農書の記述は、
まさに月の引力と植物の成長サイクルを利用した知恵だったのかもしれません。

琉球王国時代の農業人たちは、科学的な分析はできなくても、
経験的に「満月や潮の動きが野菜の成長に影響する」ことを知っていたのでしょう。


🌱 先人の知恵を現代農業に活かせるか?

現代の農業指導では、月齢や潮の満ち引きを考慮することはほとんどありません。
ですが、昔の農業人たちは、自然のリズムを観察しながら栽培していたことが、この農書からも感じ取れます。

もしかしたら、満潮時に播種することで発芽率が上がるとか、
満月の頃に植えた野菜の成長が良いなんてこともあるのかも?

まだまだ分からないことばかりですが、もう少し調べてみる価値はありそうです。

先人たちは、現代の私たちよりも自然を深く観察し、
気づいたことを積み重ねながら、農業を発展させてきました。

リスペクト!🌿✨

それじゃ、今日はこのへんで。

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参考文献

【WEB】気象庁 「潮汐の仕組み」
月との農業 中南米農民の有機農法と暮らしの技術 ハイロ・レストレポ・リベラ著 農文協
日本農書全集 第34巻 ‐社団法人農山漁村文化協会刊‐