【Part1】琉球時代の農書

こんにちは、
のはやさいです。
最近よく、現代の農業指導書を
見ているのですが、

ふと、
琉球時代の農業が気になって
気になってしょうがなくなりました。

日本は農耕民族。
琉球も然り、昔々から、
農業を続けてきた国だったと思います。
それなら、その当時の琉球王国時代にも
農業書があるのではないかと思い、
行ってきました。
沖縄県立図書館。

案の定、
琉球時代にも農書がいくつかあったので
今日はその一部を抜粋して
紹介していきたいと思います。

ちなみに前回投稿した
「二十四節気」も関係してくるので
このページも参考になればと思います。

「安里村高良筑登之親雲上 
田方并芋野菜類養生方大概之心得」

この文献は、
安里村(現,那覇市安里)の
高良筑登之親雲上
(たからちくどうんぺーちん)
の作成した、

稲、さつまいも、野菜類の作り方の心得と
なっており、
作成された年代は未詳になっています。

今回は、その中でも、
野菜類の項目を抜粋して、
現代でも栽培されている
「山芋」・「きゅうり」・「まくわ瓜」
・「冬瓜」・「ナス」・「人参」
・「にんにく」・「らっきょう」について、
本文と現代語訳を交えて
当時の栽培の心得を
紹介していきたいと思います。

山芋

一、山芋雨水之節、くちかくわい穴に入植、みとりきさし以後、川しいり掛、京くわい無用。

 ・山芋は、雨水の節に腐熟した堆肥を穴に入れてうえつけ、芽生えてきたら、川の溜まり水を掛ける。下肥はいらない。

きゅうり

一、木瓜も、右節に蒔かきくわい入植、一尺程萌立候時、薄水くわい掛。

 ・きゅうりも雨水の頃に播き、堆肥を施しておく。一尺(30cm)程伸びたら薄い液肥を掛ける。

まくわうり

一、青瓜、右同断。

 ・まくわうりの栽培方法もきゅうりと同様である。

冬瓜

一、冬瓜驚蟄之節、くちかきくわい穴に入蒔、萌立以後しいり水掛。

 ・冬瓜は啓蟄の頃腐熟した堆肥を穴に入れて播く。芽生えてきたら台所からの溜まり水を掛ける。

ナス

一、茄子、秋分之節蒔、かきくわい入植、水くわい掛。

 ・ナスは秋分のころに堆肥を施して播き、液肥をかけておく。

人参

一、黄大根、畠丈夫に拵、六月中蒔。

 ・人参は充分に畑準備をして、6月中に播く。

にんにく

一、ひる、寒露之節三寸程深かきくわい入植。(略)
右八九月植之いも畠にも植、其時は大垣三尺、小垣一尺程明

 ・にんにくは寒露の頃、三寸(9cm)程の溝を作り、堆肥を施して、植え付ける(略)
8月、9月に植え付けた、さつまいも畑に植える。その場合、広幅植えなら3尺(90cm)程離し、小幅植えなら一尺(30cm)ほどの間隔にする。

らっきょう

一、落京、霜降の節三寸程穴掘、かきくわい入植。(略)

 ・らっきょうは霜降のころ三寸(9cm)程の深さの穴を掘り、堆肥を施して植え付ける。

などと当時の栽培の心得として
記載されておりました。

ほかにも「麦」や、「ごぼう」・「そらまめ」と様々な野菜の作り方が記載されており、
当時の琉球で栽培されていた野菜の種類や、農法などがわかります。
また、当時の季節感は、一年を12分割した月で図る現代とは違い、二十四節気が使われていたこともわかります。

Part2も書いていきたいと思います。
今日はこの辺で。

参考文献

日本農書全集 第34巻 ‐社団法人農山漁村文化協会刊‐